お風呂に浸かっている時に、お湯の上にかけたままにしているアルミニウムのお風呂の蓋からはみ出した私の足を見て、うーあが
「おっかさん、あし」
と言った。
「そうだねぇ、お母さんの足だね。うーあの足は?」
と聞いてみると
「あしっ」
自分の足を持ち上げた。
他にも聞いてみる。
「じゃあ、うーあのお鼻は?」
「おはなっ」
自分の鼻を指差し
「じゃあ、お母さんのお鼻は?」
と言うと私の鼻を指差す。
「うーあの耳は?」
「みみ!」
自分の耳を指差し
「じゃあ、お母さんの耳は?」
私の耳を指差す。
いつの間にか誰のものという概念を理解していたことにうれしくなった。