「誰のママ?」
うーあのお迎えで行った保育園の入り口で4、5才くらいの女の子に聞かれた。
「うーあのママだよ。うーあ知ってる?」
「うーあ?知らない」
「2階の1才クラスのうーあだよ」
「1才なら下駄箱ここだね」
と言って女の子のすぐ後ろの下駄箱を見るので
「そうだね。あっ、ここだね」
とうーあの場所を教える。
「ここ?靴ないよ」
「そう。まだあんまり歩けないからね」
「じゃあ、抱っこなの?」
抱っこが羨ましいのかなと思いつつ
「抱っこだよ。その方が楽だからね」
「家、どこ?」
「駅の方だよ。わかる?」
「電車乗るとこ?」
「そう。そっちの方」
結構、会話が弾むものだなぁ。そろそろお迎えに行かないとなぁと思っていたら
「あ、もうさ、遅くなるから先に行きなよ」
と急に大人びた感じで、言い出したのでびっくりした。
「そうだね。ありがと。じゃあね」
と言って2階へ急いだ。こんな小さい子でも気を使ったりするんだなぁと感心しつつ、こんな小さいのに空気を読んでしまうことが少し悲しい気もした。
うーあを抱っこして玄関に行く。もう一度さっきの子に会えるかなと思っていたが、玄関にはもう誰もいなかった。